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幼稚園



 中高生時代の事は小話によく書いてますが


 それ以前の事は全くと言って良いほど書いていない


 あんまり面白い事も無かったんですよね


 でも書く事もないし 今回から書いてみる


 「自分史」みたいで気恥ずかしい


 あまり笑える事も無いと思うので 過度な期待をしないで


 なんとなく読んでいただければと思います




 *幼稚園*



 幼稚園の卒園アルバムが出てきたので見てみる


 集合写真の他にも2枚写っていたが どれもつまらなそうな顔をしている


 他の幼稚園の写真もつまらなそうな顔をしている


 そう フクは幼稚園がつまらなかったんです


 幼稚園なんて大嫌いで今すぐにでも行くのを止めたいと思っているのに


 毎日、母がフクを幼稚園まで送り届けた



 いったい幼稚園の何が気に入らなかったかと言うと


 やりたくも無い事を無理やりやらされるのが嫌だった


 自由時間的なのものは比較的のんびりできて好きだったが


 まわりの子供がうるさいので嫌だった


 特にお遊戯の時間は断トツに大嫌いで


 仮病を使うのは日常茶飯事 幼稚園から逃げ出した事も何度もあった


 どうも人前で踊る行為がフクには受け入れがたかったのです


 大人になって お遊戯をしてる子供を見れば 


 「ああ可愛らしいね」と思うかもしれませんが


 当時のフクは お遊戯なんて馬鹿馬鹿しくて恥晒しな行為と思っていました


 なんで こんなアホらしい踊りを別に仲良くも無い連中と踊らなければならないのか


 まわりで楽しそうに踊ってる子供を見て


 こいつらアホじゃねえか?と思っていた


 こんな調子で全くやる気が無い 仮病は使う 逃げ出す


 その結果、当然 親や先生に「何でお遊戯が嫌なの?」と訊かれる


 しかし ただ黙っていた


 言葉を知らないので「嫌な物は嫌だ」としか言いようが無かった


 でも そんな言い分で大人は納得しない事はわかっていたので黙る


 結局フクは卒園まで お遊戯をまともにやった記憶が無い


 無理にやらされそうになったら 全力で抵抗した


 そんなフクに手を焼いたのか誰も何も言わなくなった


 お絵かきや 折り紙の時間はわりと好きだった


 物を作る行為は今も好きなので性に合ったのだろう


 しかし 書く物や作る物を指定されるのは嫌だった


 「お花の絵を書きましょう」と言われてもフクは鳥の絵を書いたりしていた


 でも こういう真似をしてると先生ばかりか他の園児まで


 フクの事を奇異の目で見るようになる


 でも 何を言われようと気にならなかった


 他の園児は全て馬鹿だと思ってたからだ


 「こんな馬鹿の話など聞く価値なし」と言った心境です


 お弁当の時間も嫌でした


 別に母の作る弁当に不満は無いが


 他の園児と一緒に食べるのが嫌だった


 先程から言ってるように 周りの園児を馬鹿だと思ってるからです


 フクのオカズを盗ったりする馬鹿がいて よけいに嫌いになる


 なので昼食の時間になっても弁当の蓋を明けないで


 ただ時間が過ぎるのを待つようになった


 すると先生がまた色々言ってくるが 例によって頑なに断る


 帰るころには相当空腹になってるので家に帰ってから弁当を食べる事が多かった


 子供同士の喧嘩もよくありましたが


 フクは当時3歳年上の姉と1日1回は取っ組み合いの喧嘩をしていたので


 はっきり言って同い年の子供に負ける気はしなかったし


 実際に喧嘩になれば高確率でフクが優勢でした


 稀に強いヤツもいたが そういうヤツには適当に石を投げたりして対処した


 しかしね フクから喧嘩を吹っかけた事は殆ど無いと思う


 9割以上はわけもわからずに絡まれて喧嘩になってました


 ちょっとぐらい馬鹿にされても「はいはい」と受け流してたフクですが


 さすがにいきなり叩かれたり蹴られたりすれば反撃に転じます


 そしてフクは絶対に人前では泣かなかった


 家の外では意地でも泣かなかった 泣く事はみっともないと考えていたんです


 その弊害として なぜか俺ばかり先生に怒られる


 まあ相手も怒られてるが 明らかに俺の方を強く怒ってくる


 つまり



 子供Aがフクを無意味に殴る or 蹴る

  ↓

 フクは反撃する 優勢に喧嘩を進める

  ↓

 相手は大泣き フクは泣かないで怒り顔

  ↓

 先生が来る フクが一方的に泣かせてるように見える



 て言う流れだと思う


 フクは全然悪くない


 正当な自衛権の行使だと思います


 どう悪く見ても過剰防衛で 酌量の余地は山ほどある


 生まれながらに人に疑われる雰囲気があるのかもしれません


 いまだに歩いてるだけで職質されるぐらいです



 まあ 怒られてる時にフクは黙秘を貫いていたのも原因かもしれません


 自分の正当性を説明すれば状況は変わったかもしれません


 まあ当時は硬派だったので言い訳が性に合わなっかたんだと思います



 まあ そんなこんなで何もかもが嫌だったのです


 幼稚園を辞めたいと親に言った事は100回以上あると思う


 そして ある日決定的事件がおきる


 幼稚園で芋掘り遠足に行ったのです


 何処に行ったか覚えてないがバスに乗って行きました


 芋は普段食べるが 地中に埋まってる様子に非常に興味があったので


 幼稚園の行事にしては珍しくフクは楽しみでした


 前日から芋の話ばかりを家族にしていた


 そして芋畑に到着し 芋の掘り方を説明してもらう


 つるを引っ張ればいいと言うので目の前のつるを力いっぱい引っ張ると


 大きな芋が出てきた


 本当に芋が地中で育つ事にさえ半信半疑だったが


 これにはかなり感動した


 掘った芋を持って帰れると言うので


 家族のみんなで食べようと張り切って掘った


 芋運が良かったのかフクの掘る芋は周りの誰よりも大きな物だった


 一通り掘り終わり フクは巨大な芋をそれぞれに配られた芋袋に入れた


 袋には自分で書いたか先生が書いたか忘れたが名前が書いてあり


 一箇所に集めておいて保管された


 そしてここから フクには苦痛な弁当と遊びの時間になる


 芋を掘った事でフクの用事は済んだので帰りたい


 芋だけ持って自力で帰ろうにも ここがどこだかわからない


 なので仕方なく昼寝でもして時間が経つのを待った


 そしてようやく帰る時間になった


 芋はバスに積まれて幼稚園についたら配るらしい


 バスは無事に幼稚園に到着


 これで帰って芋を食べられる


 お母さんに焼いてもらおう きっとみんな喜ぶだろう


 大きな芋ばかりだから驚くかもなー 褒められるかもなー と心躍る


 さっさと芋をもらって帰りたいところですが


 ここで何故だか「芋掘り遠足の絵」を描けといわれた


 1秒でも早く帰りたいのに なんで絵を描かなきゃいかんのよ?


 そう思いながら芋の絵を描く


 書き終わってしばらくして ようやく芋を配ると言う


 そして芋が全員に配られた


 芋袋が配られた瞬間 異様な違和感を感じた


 恐る恐る開けてみると中身はフクの掘った芋ではない


 ああ先生が間違えて違う子供の袋を渡したのか、と思ったら


 しっかりと自分の名前が書いてある


 袋から芋を全部出すと フクが掘った大きな芋が一つも無い


 これは・・?どういうことかな・・?


 半ばパニックになりながら先生に確認すると なんと


 掘った芋は全員分全て開けて均等に配りしなおした、と言う


 ↑のような言葉では無かったと思うが こんな内容の事を言っていた


 掘れなかった子への配慮だと思うが 掘りまくったフクへの配慮が全く無い


 これにフクは相当なショックをうけた


 新たに配られた芋はフクの掘った芋よりもどれも小さかった


 なぜ自分で掘った芋を自分が持ってかれないのか


 人の袋をなぜ勝手に開けるのか


 何もかもが嫌になった


 家族はこんな小さな芋じゃ喜ばないよなー


 逆に こんな小さいのしか取れなくて怒られるかもなー


 と、考え出した


 いい大人が芋の大きさぐらいで怒るはずが無いが この時はそう思った


 フクはこの芋をもらう事を拒否したが 無理やりわたされた


 半ば怒りながら「持って帰れ」と言われたので


 叩かれたりしたら嫌なので持って帰ることにした


 幼稚園なので親が迎えに来る


 家に帰り 芋を見せ まあ親の反応は上々だった


 それじゃあ みんなで食べようかと言い出したが これは断る


 どうしても食べる気にはならなかった


 「お腹が空いてない」などと言って結局一個も手をつけなかったが


 家族の皆は「美味しい」と言っていた フクは愛想笑いをして場を忍んだ


 この時トイレの中で こっそりと泣いた


 どうしても納得できなかったのだ まあ今現在も納得していない


 フクの幼稚園嫌いは決定的な物になった


 家族だけにしか心を開かなかったと言っていい


 当然 友人はできないし 別に友人が欲しいとも思わなかった


 何回脱走しても捕まっては怒られるので


 ただただ淡々と「お遊戯」以外の幼稚園作業をこなしていった


 無気力な刑務所の囚人と言った心境


 ただただ釈放(卒園)の日を待った


 やがて卒園の日を迎え 晴れて自由の身になった


 しかし 今度は小学校に行かなくてはならない


 小学校は6年間も通わなくては行けないと聞いて 行く前から嫌になった


 フクが幼稚園で学んだ事は



 
人間は信じるに値しない



 って事だけです


 結局 友達も出来ませんでした


 親が心配するといけないので何度か他の子供とも遊んだけど


 友人と呼べるほどの付き合いに発展する事はなかった(顔すら覚えてない)


 結局 幼稚園でフクが心を開いたのは


 幼稚園で飼っていたインコだけです


 今でも幼稚園に行かなかった方が 


 もっと楽しい人生になってたんじゃないかと思う事があるが


 精神力が鍛えられたので良かったと、最近は考えている





 って事で幼稚園編終了 非常に嫌な性格の子供ですね


 次回は小学校編です




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