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ラブレター・4






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家の中 それも自分の部屋の中 そこは自分だけの空間 




まだ 高校生のフクに与えられた小さな世界 自分の部屋




誰が何と言おうと 部屋の中では 部屋の主が最高の権力者である





この部屋で天下人は当然フク  誰にも汚されてはいけない聖域




でもね その天下人の部屋の 枕もとに 謎の密書が・・・





フク君へ


フク君へ 久しぶりのお手紙ですね 寂しかったよ


ホントは学校の机に お手紙入れたかったんでけど 


フク君の友達が 放課後遊んでたから 無理だったの


だから フク君のお家のポストにいれちゃった


フク君のおかーさんとかに見られたら恥ずかしいな キャっ


フク君が あーした こーした どーした そーした・・・・



























クセモノじゃあー ものども出あえー!!












殿!こちらの忍の素性はすべて明らかになっております!







殿!またもや殿の行動を詳細に記録した密書が・・・!


























ああ切腹してぇ








ポストから密書をとったのは おそらく母上だろう 






「母上!母上!この密書に見覚えは?」




「ああ、ポストに入ってたのよ




何?ラブレター?若いっていいわねー」

























母上!根本的に間違ってます!













「母上!この密書を持ってきた者を見ましたか?」








「知らないわよ ポストに入ってたのよ




だいたいアンタは女にうつつをぬかすのは10年早いのよ




とにかく相手を妊娠させたりはしないでちょうだい!




わたしゃ、そんなことで頭を下げるのはゴメンだよ!」

















母上それは相手が違うんです・・














うーん 家に手紙がくるのはかなり嫌だな




張り込み隊はもう解散したから 今後はまた学校の机にくるかな?




次の日 仁美さんと会ったが ちょっと喧嘩になったんです




すぐ仲直りしたんですが 明くる日 仁美さんの机の中に再び密書が・・・!





大塚仁美さんへ


大塚さん 昨日フク君と喧嘩しましたね?私は大塚さんが悪いと思います


あんな言い方は無いんじゃないですか?大塚さんはひどいと思います


私だったら あんな事絶対言わない 大塚さんは


フク君と一緒にいるのは 相応しく無いと思います


絶対 私のほうが フク君の事好きだもん 大塚さんはフク君と別れたほうがいい


と思います!私のほうが フク君にやさしくできます。


大塚さんはヒドイと思います。

















あなたにとって”やさしさ”って何?

















俺の行動データ集めが あなたにとって好きって事?それがあなたの愛の形なの?



























お前も根本的に間違ってるよ













この後 どうしよもなく稚拙な 誹謗中傷手紙が数日間 仁美さんの机を襲う









「ゴメンね ちょっと精神的にまいっちゃって




しばらくフクとは 会わない事にするでも電話はするから・・・ごめんね」




ついにYのせいで 仁美さんに半絶縁状を叩きつけられる




でも 仕方が無い事です よく「愛があればどんな障害も乗り越えられる」なんていいますが
























学校の机の中のキャパシティの90%を占める中傷手紙てんこもり攻撃に それも毎日














耐えられますか? その結果これだ




あの時の仁美さんの顔が忘れられない 




フクに対する申し訳なさ  Yに対する憎しみ   精神的な疲れ




そんな複雑な表情 かすれた何とも悲しげな声 潤んだ目




これ以上つらい思いをさせられません やはりしばらく会わないほうがいい








いったい何の権利があって フクの甘い高校生活を妨害するの?




あなたは何を求めているの?こんな事で愛情が芽生えると思ってるの?
























フクに芽生えたのは殺意だけだよ☆









しかし どうしたものか もはや本人と話し合って決着をつけるしかない





毎日 放課後待ってるかな いや また家に手紙がくるかもしれん




それに本人にあったら 殺意を抑制する自信が無い  




友人伊藤に相談すると




「うーん、そうだな・・・・校内放送で呼び出せば?」




「それは目立ちすぎるだろ」




「だな じゃあー・・・フク手紙書けば Yに




そんで その手紙を自分の机に入れとけば?そうすれば次の手紙来た時にさ・・・」




「お、グッドアイディア!ナイスアイディア!




なるほど なんで気づかなかったかな  よし書くぞ 呼び出して説教だ!




呼び出し成功したら一緒に来てくれ 誰かいないと殺してしまうかもしれん」




「ああ、最近 目がすわってるからな ゲラゲラ




なるべくYが見つけやすい所に置けよ 手紙」




よーし 本来なら誹謗中傷書き殴る所だが 今回の目的は呼び出す事だ




何日の何時に 屋上に来るように書いた




そして放課後 目立つように椅子の尻がつく部分に、その手紙を貼り付けておく




手紙には大きく「Yへ」と書いてあるから 一目瞭然だ




いよいよ決着の日が近づいてきたぞ 




テンションが上がる俺に伊藤が一言













 「まあ、一応ついてくけど もしもさ 万が一だけど






Yが逆上してナイフとか振り回したら 俺は逃げるからな」










やっぱコワヒよ Yちゃん・・・・




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